セッション状態について
ユーザーコンソールの SIM 一覧画面に表示される「状態」は、3G/LTE のセッションの有無を表しています。3G/LTE を利用した IP 通信では APN を設定しただけではデータの送受信を開始できず、デバイスからセッション作成のリクエストを実施して、SORACOM プラットフォーム側にセッションが作成されたあとから送受信できるようになります。
一方でデバイス側でデータ通信を正常に終了させる場合は、デバイス側から SORACOM プラットフォームに対してセッションの削除リクエストを送信します。
SORACOM プラットフォームではデバイスからのリクエストでセッションが作成されてから、削除されるまでのステータスが「オンライン」と表示されます。逆にセッションが存在しない状態が「オフライン」です。
スマートフォンや Pocket WiFi などデバイスでは SIM を挿入してアンテナマークのところに「4G/LTE/3G」などの文字列が表示されたときが、ユーザーコンソールで「オンライン」と表示されている状態です。
同様に機内モードに変更することによりセッション正常に切断すると「オフライン」に変わります。
なお、このときの「セッション状態」とは TCP/IP や HTTPS など上位のプロトコルでの「セッション」とは異なるものですので、実際のデータ送受信の状況とは連動していません。(電波状況の一時的な変化によるパケットロスなどは、オフラインとして記録されるものではありません。)
以下の図は SORACOM Air for セルラーの「セッション」を理解しやすいように抽象化したイメージです。
IoT デバイス開発など実際のシグナリングの詳細が必要な方はモデムの製造元・販売元が提供しているドキュメント・コンテンツをご参照ください。
セッション状態の確認手順
3G/LTE のセッションの有無や状態を参照するための手順は以下のとおりです。
- ユーザーコンソールにログインします。ログインすると SIM 一覧画面が表示されます。
- 各 SIM のセッション状態は、SIM 一覧画面の「セッション状態」で確認できます。
- SIM のセッション履歴を確認するには、SIM 管理画面で、3G/LTE セッションの状況を確認したい SIM にチェックマークを入れ、画面上部の「詳細」ボタンをクリックします。
- SIM の詳細情報が表示されたら、その画面上で「セッション詳細」タブをクリックすると 3G/LTE セッションの履歴を確認できます。
(参考スクリーンショット)
セッション履歴のステータスについて
各 SIM の詳細画面で確認できる「セッション履歴」には、「Created」「Modified」「Deleted」の3種類があります。
- Created
- 「Created」は 3G/LTE のセッションが作られたことを表しています。Created 状態になった IoT SIM は IP アドレスが割り当てられてデータ通信を行うことが可能です。
- デバイスの最後のステータスが Created の場合は「オンライン」です。
- Modified
- 「Modified」はデバイスの移動などにより 3G/LTE のセッションの更新(ハンドオーバー)があったことを表しています。移動以外でも電波強度やカバレッジの問題で 3G と LTE 間のハンドオーバーがあった時にも発生いたします。データ通信に影響はありません。
- Deleted
- 「Deleted」は、3G/LTE のセッションが削除されたことを表しています。Deleted 状態の IoT SIM はデータ通信を行うことができません。
- デバイスの最後のステータスが Deleted の場合は「オフライン」です
セッション履歴を確認するときの注意点
- 現状ではユーザーコンソールの表示は自動更新されません。最新の接続状況を確認するにはコンソールを手動でリロードしてください。
- これらのステータスは実際にデータ通信があったことを示すものではありません。
- 実際にデータの送受信があったかどうかは「通信量履歴」のタブを参照してください。
- セッションがオンラインでも、電波の状況などによりパケットがロスすることはあります。
- デバイスが一時的に圏外になった場合でも、すぐにセッションが削除されるものでありません。
セッション履歴の Created/Deleted が時系列に並んでいない場合
セッションの削除処理は SORACOM プラットフォーム側でデバイスと非同期で実施されるため、セッション削除から再作成までが短い時間の場合にセッション履歴では Deleted の時刻が次の Created の時間よりもあとの時刻が記録されることがあります。この場合でも次のセッションの通信は影響ありません。
また上記のようなセッション履歴の並びは、デバイス側からセッションが正常に切断されなかった場合にもよく見受けられます。
よくある事例として SORACOM プラットフォーム側ではセッションをオンラインとして保持している状態で、デバイス側で予期せぬ再起動などによりデバイスがセッションの削除リクエストを送信しないままデバイス上のセッションを破棄してしまうことがあります。この場合にはあらためてデバイスからセッションの作成リクエストが送信されるため、プラットフォーム側に残っていた旧セッションは削除されることになります。
このようなケースではプラットフォーム側では新しい作成リクエストを先に処理した後に旧セッションが削除されることがあるので、上記のような時系列で記録されることがあります。